【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
『だから、普通に、タカ、可愛いから好きで、彼女に、したいって…感じで…』
『なにそれ』
そう、一蹴したら、キノは頭を抱えて机に突っ伏すのだった。
耳まで赤いキノを見て、ようやく、私は本当に告白されているのだとわかって。
こっちまで赤くなった。
彼女にしたいって
キノの?まさかぁ。
なんて、思ったけど。
正直まんざらでもなくて、やっぱり普通に嬉しかったから。
好きって言ってくれたのが。
告白されること自体初めてだっから、この人以外に自分を好きって言ってくれる人なんかこの先居ない気がしてきて
私を好きって言ってくれたこの人を
私も好きになりたいって
この人の笑顔が見たいって
そう思って。
『私でいいなら』
そう答えたときのキノの顔を覚えてる。
突っ伏した顔をちょっとこっちに向けて驚いたあと
照れ臭そうにはにかみながら、足をパタパタとさせて
『まじ?』
って言った。
『よくわかんないけど』
って変な答え方をしたけれど、たぶんその日を境に、私とキノの関係は隣の席の友人Aから、彼氏に変わったんだろう。
会話もさらに増えて、どんどん仲良くなった。
そしたらいつの間にかキノを大好きになっていた。