【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
風邪引き
なんだか妙に長かったキャンプが終了して、
翌日はいつもどおり学校があった。
歩きまくった挙げ句とんでもないこと聞かされたし。さすがに疲れたので、すぐ翌日の学校は辛いとしか言いようがない。
「………」
ボサボサの頭は、なんだか妙にずきずきと痛む。
この痛みを私は知っていた。
これは、風邪だ。
「……はあ」
休もうかな。
もう一度横になると、お母さんがなんの予兆もなく部屋に入ってきた。
「あら、学校は?」
「風邪引いた」
「休むの?」
「んー…うん」
「じゃあ連絡しとくねー。お母さん今日仕事だから、昼ご飯は置いとくけど、薬探して飲んどきなさいね」
「うん」
お母さんが部屋から出ていったあとに、私は再び布団に潜り込んだ。
風邪が悪化したせいかな
なんだか
心が痛くて、さみしい。
明日は土日だし、
キノと3日会えないのか。
まあ、心の整理にはちょうどいいかもしれない。
ふーっと深く息をはいて寝ようとするけど、もう目が覚めてしまったため頭が冴えてしまっている。
お腹もすいた。