【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
記念日と秘めた想い
ねえ、キノ
知ってた
今日って付き合って一年の日だったよ。
こういうのって記念日なんでしょ普通。
私はなんだかそういう記念日とかを出来るだけ考えないようにしていた。
今日で1ヶ月とか
半年経ったとか
今日まで変わらず一緒にいれたねっていう喜びが私一人だけじゃ
空しすぎるから。
考えないようにするって思ったのに
結局忘れられなかったよ。
夏休み前日の大雨と
あのときのキノを
私は今日まで
変わらず好きでいられたよ。
覚えてるわけないよねキノは
色んなことにルーズだからなあの人
思い出してくれなくてもいい
今日は一緒に帰ればよかった。
なんで意地はって一人できちゃったんだろ。
七瀬さん、ものすごい人だった。
思ったより全然さばさばしていて
元気な女の子だった。
キノは七瀬さんに迫られたら好きになっちゃうのかな
なるよね
だって私
七瀬さんのこと嫌いじゃないし
あんなすごいこと言われたけど
ねちねち嫌がらせみたいにしないところ
思いきりのいい
むしろ好感すらもてた。
私は無理だ
あんなこと言えない。
キノの耳たぶは柔らかい
どうでもいいけど
わかる!!って思ってしまった。
私だって出来ることなら一日中撫でてみたい
お願いしたらさせてくれるかもしれないけど
いや、しないけど、って何考えてんの。