【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
「…………………………?」
何か今
目の前でシャッター的な音が聞こえたんだけど
恐る恐る顔をあげると
私はまた涙が押し寄せてきた。
「タカ、泣いてるの?なんで?
めずらしーね」
そしてなに食わぬ顔でもう一度パシャリ
「ちょ…っと!なにとってんの!!」
「記念記念」
「なんの記念だよ…」
「だって今日で一年でしょ
タカと付き合ってから」
……………は?
「うわ、やっぱ覚えてないの?ひでー
俺ばっかちゃんと数えちゃって恥ずかしいじゃん」
「な、に、うそ、はあ?」
「俺ってばプレゼントまで律儀に用意してんのに
タカは相変わらず冷たいね」
「バカーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
「ええっ!!?」
なんなの
彼女が泣いてるのに写メ取りやがって
あんたのせいでこっちは泣いてんのに
なんでそんなこと今さら言うの
バカバカバカバカバカバカ
本当に
バカ