【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―




「…………………………?」


何か今

目の前でシャッター的な音が聞こえたんだけど


恐る恐る顔をあげると

私はまた涙が押し寄せてきた。



「タカ、泣いてるの?なんで?
めずらしーね」


そしてなに食わぬ顔でもう一度パシャリ


「ちょ…っと!なにとってんの!!」


「記念記念」


「なんの記念だよ…」


「だって今日で一年でしょ
タカと付き合ってから」



……………は?



「うわ、やっぱ覚えてないの?ひでー

俺ばっかちゃんと数えちゃって恥ずかしいじゃん」


「な、に、うそ、はあ?」

「俺ってばプレゼントまで律儀に用意してんのに

タカは相変わらず冷たいね」


「バカーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」


「ええっ!!?」



なんなの

彼女が泣いてるのに写メ取りやがって

あんたのせいでこっちは泣いてんのに

なんでそんなこと今さら言うの



バカバカバカバカバカバカ



本当に

バカ
< 34 / 415 >

この作品をシェア

pagetop