【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―


だけど
すごく嬉しい

すぐ約束とか忘れるキノが
覚えていてくれるなんて。


「タカ、ごめん」


「い、いいから、キノのせいじゃなくて、私が勝手に」


「そうじゃなくて、プレゼント、家に忘れてきちゃった」


「………」


一気に

テンションが…


さがって………


「わああ、タカ!ごめん!あのー、だから、

今からうち来て!」


「え?」


「まだ4時じゃん、2人でゴロゴロしよ?」


ね?って笑うキノに
私は涙を拭って頷いた。

キノの家行くのも久々かも。


私はカバンを持ち直してキノについていった。

キノのプレゼント

いったいなんなんだろ。



カエルだったらやだな。

さすがにそりゃないか。



ほどなくして
住宅地のなかにキノのアパートが見えてくる。


たくさんのベランダに

布団や服が惜しげなく干されているのを見上げる。


太陽はマンションに隠れて見えなくなった。
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