【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

「えっとねー、えーっと」

キノが手を後ろにして私の前にたった。

たぶん手にはプレゼントらしきものがある。


「早く見せて」


「あの、ですね。今さらながらこれをタカにあげてよいものかどうか」


「私にあげたくないの?」

「いや、いやっ、あげたいんだけど!

受け取ってもらえなかったら俺、ちょっと、へこみそうだから」


「どうでもいいので早くください」


「どうでもよくないし…めっちゃ悩んだもん」



男が"もん"とか言うなよ。
けど、悩んでくれたのか。
普通に嬉しい



「キノがくれるものなら、なんでもたぶん、嬉しいと思う」


「ほんと!?」


「カエル以外ね」


なぜかシンっと沈まりかえった。

え?
なんでだまんの?



「…………はは」


「なに笑ってんの、いいから見せて、じれったいな」

「あっ、ち、ちょっとお!」



あんまりぐずぐずしてるからキノの手から無理やりプレゼントを取り上げ

ラッピングされている紐をほどき、紙を少し乱暴に開いた。


まったく、何を隠しているんだか…



…………


「……た、タカ…?」
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