【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
なんでだろう。
なんでこんなことになったんだろう。
もし、二人で最後に公園に行ったとき、
笑顔で、別れられて居たら、
俺が、自分の気持ちなんか、伝えなければ、
こんなことにはならなかった。
いい関係のまま、別れられた。
俺が、殺した。
俺のせいだ。
もう、一歩も動けなかった。
罪悪感と、喪失感で、
押し潰されそうだった。
なんで、俺のせいでタカが死んで、俺が、生きてるんだろう。
おかしい。
どうせなら、俺が、死んだ方がまだよかった。
なんでタカなんだ。
答えはいくら考えても見つからなかった。
考えても、無駄だった。
もう、タカには会えない。
タカに触れることも、
話すことすら、
俺のせいで死んだのに、
今さら、
会いに行けるわけも、ない。
俺は、どうすればいい。
俺は、どうすれば償える。
俺が死んだって、タカは報われない。
タカの代わりは、誰もいない。
俺は………
なんのために、
生きてるんだろう。
また、寝た。
このまま永遠に、眠れたらいい。
俺はもう、
現実を見たくない。