【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
「はぁっ、はぁっ、」
久しぶりの全力失踪は思った以上に疲れて、息は切れるは、既に筋肉痛っぽい足の張りを感じてきて、
いかに運動してなかったか実感した。
「逃げんなって、こんなの持って帰ったら俺おかしいから」
そして、平気な顔して家までついてきたこいつ。
うちのクラスの学級委員長の…なんとかマヒロだ。
しつこい。
俺は、マヒロからゲームの入った袋を奪い取って、
アパートの階段を登っていった。
「おーい、学校来いよー」
「………」
「俺、待ってるからなー!!」
うるせーわ。
何にも知らないくせに、
俺なんか構ってメリットなんて一つもないのに、
変なやつだ。
バカだ。
それから、土日に入って、買ってきたゲームをしたり、漫画を読んだりして過ごした。
そうしてる時間は悪くはなかった。
なんとなく、安心した。
だけど、
真さんが家を出ている間一人になると、
どうしようもなく苦しくなった。
それと同時に、真さんに迷惑をかけているとわかった。
学校の先生と電話で何度も会話している真さんの声を聞いた。
これ以上、
この人の迷惑にはなれないと思った。
だから、次の月曜日から、学校に行くことにした。