【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

「…なにこれ」


「お、怒ってる?」



箱のなかに入っていたのは
可愛らしいカエルのぬいぐるみだった。


なんだろうこの気持ち


なんというか
てっきり私は指輪とかネックレスなんかくれちゃったりするのとか期待してしまったのに


期待をものすごく裏切られたけど

あんまり落胆していない。

そんなことより

嬉しい気持ちの方がまさった。



「えーーと、ね、俺、虫が好きなんだけど、ね

その中でもカエルが一番可愛くて好きなんですけども、

………去年タカにリアルのカエル見せたら、めっちゃ逃げられたじゃん?

割りとショックを受けたわけでして……

あの、おこがましいのは重々わかってるんで、


だけど、俺やっぱり、タカにカエルの可愛さを知ってほしいっつうか、


俺、やっぱカエル触りたいから

それでタカに嫌われんの嫌で、

じゃあタカに慣れてもらおうかなって思って

あんまりリアルだとさすがにタカ嫌がると思って、


店員さんに可愛いカエルありませんかって聞いたら

これ、くれたから…」


長い説明をどうもありがとう


まさかそんなこと考えて選んでいたなんて露知らず


指輪よりも

ネックレスよりも


ずっとずっと気持ちが伝わった。

すごく

すごく嬉しい

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