【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
エリちゃんが微笑しながらそう言った。
少し照れ臭くなった。
「あとどれぐらいでつく?」
「ちょっと、ヒロちゃん!そのタイミングで言う?」
「最後まで待っただろ」
「もーー、あと30分だけどー、アザミくんの話聞いて何にも感じなかったわけ??」
「別に。まあ、アザミは悪くないだろとは思ったけど、俺がそれ言ったって意味ないよ。
高橋さんじゃないとなんかダメっぽかったし」
「なにそれー」
「まあ、いいじゃん。本番はこれからでしょ」
そうだ、
これからなんだ。
アザミくんは、このことをキノに言いに行く。
キノは、どうなるのかな。
どんな反応するのだろう。
予想がつかない。
私は、このアザミくんのあとで、
何を言う気なんだろう。
それこそ、何にも思い付かないけど、
まあ、いいか。
全部全部
キノに会ってからで、いいよね。
いいのかな。