【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
するとそのときマヒロくんの携帯がなった。

マヒロくんがそれを確認するのをコーラを飲みながら見る。


しかし、イケメンだな

こんな綺麗な顔しててこんなに優しいんだったらさぞかしモテるんだろうな。


女の子もきっとマヒロくんなら満足できるだろうし。


「あっはー、やばーい」


「え?なに、どうしたの」

マヒロがちらっとガラスの外を見た。

私も同じ方向を見てみると
一人の金髪ギャルがこちらを睨んでいて、私は肩をすくめた。


「か、彼女さん?あれ、いないんじゃなかった?」


「うん、最近結構一緒に出掛けたりしてて

別に付き合ってないんだけどさ
あっちは付き合ってるって勘違いしちゃってるみたいだな」


「早くいった方いいんじゃないの?
…めっちゃ怒ってるよあのお姉さん」


「うーん、仕方ないなこれは」


軽く笑いながらマヒロくんは立ち上がると扉を開けて店を出て金髪ギャルに会った。

扉が閉まるとガランガランとベルがなって
二人の会話はまったく聞こえない。


聞かない方がいいんだろうけど

けど、やっぱりイケメンの彼女は美人だなー

あ、彼女じゃないのか。


なんだかもったいないなほんと

あれだけモテて優しくて
彼女は作らないなんて


あんな綺麗な人だったら私だったら付き合っちゃうぜ
なんて

……はは


金髪のお姉さんは相変わらずの剣幕で

マヒロくんは手をポケットに入れて特に動揺もせず
いつもと同じような雰囲気だった。


何を話してるんだろ


お姉さんきれてるなあ

私のせいか


私指差されてるし、
見ないようにしたいけど気になってしまう。


ここから見ると

目立つな、マヒロくん。


明るい茶髪に、両耳にピアス開けてるし。

学校ではしてないけど
生活指導でもとくに目をつけられているわけでもないし

頭いいからか。

キノの方断然呼び出されてるな実際。



見ないふりしながらちらちら様子を伺っていると

ギョッと目を開いてしまった。


騒ぎ立てているお姉さんの後頭部に自然に手を伸ばしたマヒロくんは

お姉さんの唇に噛みつくようなキスをした。
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