【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―


うひゃー

え、見ていいのこれ、え、

なんだこの気持ち

心霊現象特集を見たくもないのにちょっとだけ見たいって思ってしまう

あの感覚だっ


私は実は心がいやらしいのかもしれない、いや、そんなことは…


自問自答しながらメニューで顔を隠しながらチラ見。
何度も何度も角度を変えて道端の真ん中でキスを繰り返すマヒロくんに

お姉さんもマヒロくんの首に手を回して応えていた。

ちらっと見えたマヒロくんの舌は
お姉さんの舌と絡まりあって深く深くキスを押し付けていた。


ああああーー

だめ、むり、見るんじゃないよ私!!


それにしても
マヒロくん、やっぱり結構なプレイボーイだな。


こんなマヒロくんを見るのは初めてだったので少し違和感。

いつもキノをどついてる正当なところしか見ていないからだ。


口をお姉さんから話したマヒロくんは
お姉さんの耳元に口を寄せると、なにかを囁いているようだった。


あんなのを見ると想像だけが膨らむ。

いったい何を呟いているんだろう。


マヒロくんのキスでようやく騒ぐのを止めていたお姉さんが

マヒロくんが囁いたあと、急に顔色を変えた。



バシンッ



ここまで音が聞こえてきそうなほど力強いビンタだった。

お姉さんはバックを一回振り回してマヒロくんにぶつけると
踵を返してマヒロくんに背を向けた。


い、いったいなにが!!?
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