【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

マヒロくんが悪いとは言いたくないし思っていないけれど

しつこいと思われたお姉さんが

かわいそうだ。


きっとお姉さんはマヒロくんが大好きだったんだろう
だから私に嫉妬して


あんなに怒っていた。

いや、あれは怒っていたのかな

私はあのお姉さんが少し

必死でマヒロくんの気持ちを引き留めようとしているように見えた。



そのあとカフェを一人で出て、勉強する気にもなれず帰宅。

家に帰ってもんもんと頭を埋め尽くすのは

マヒロくんがキスしてたとこと
ひっぱたかれてたとこ。


"どうせセックスしたいだけなんだろ、ビッチ女"


って、言ったんだっけ

そんなこと言う顔?


ダメだ、笑っているマヒロくんしか頭に浮かばない。

私は知らないことが多すぎる


キノのことも

マヒロくんのことも


キノは中学二年の時からマヒロくんと一緒なんだっけ。


明日、聞いてみようかな


キノだったらなんでも教えてくれそうだし。


明日からまた平日に戻り昼からは劇の練習がある。


あんまり深入りしては迷惑をかけるだろうことはわかっている。


だけど

どうしても

知りたくなった。

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