【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

え?は?

何をやめるって?

この会話を?


「木野くんって高橋さんしか眼中にないみたいでさー
私には全然可愛くないの


だから高橋さんの隣で可愛い木野くんを眺めることにしようかと思います」


「え?いいの…?」


「だって仕方ないじゃんー、もういいやって感じ」


「キノを奪うつもりじゃなかったの??」



ちょっと焦りながらそう聞くと
七瀬さんがきょとんとした顔で私を見つめた。


きゅん、じゃ、なくて



「うんー?奪いたいと言いますか、シェア?しようぜ的な感覚…」


「シェア!?」


「可愛いものは独り占めせず皆で仲良くシェア!が基本じゃないですか」



そ、そうだったの!?

じゃあ別に恋敵とかでもなかった!?

てかキノが物扱いだよ!!
キノを皆で仲良くシェアするつもりだったなんて…


「そのつもりだったんだけど、キノくんが可愛いのは高橋さんの前でだけだったのでもういいのです!」


「そ、そうですかー…」


変な脱力感を感じた

私、ほっとしてる。


七瀬さん、本当にキノを好きになったかと思った。
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