【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―


会計を済ませてさっさとヒロちゃんの家に行こうとすると


赤信号の下で立ち止まっているヒロちゃんを発見した。

もう先生と話し終わったのかな

私はスーパーの袋をしっかりと持ってヒロちゃんのもとにこっそりと近づいた。

驚かすつもりだった。


そのとき
隣にいた女子高生がヒロちゃんに話しかけた。

なぜ女子高生が?

ヒロちゃんかっこいいからかな、と適当に考えていたが


すぐそんな簡単でもないことがわかった。


ヒロちゃんは笑って
その女子高生の手を軽く握った。

三度見した。

どういうこと?


つまり、

そういうこと?


先生に用なんて実はなくて
数少ない早帰りの日を利用して、
高校生の彼女と仲良く帰るっていう


とりあえず

写メった。


パシャッ


いつか嫌がらせするときに弱味にしよう。

うん。


心のなかは信じられない!って気持ちよりも
そうだったんだという納得の方法に行き着いた。


ずっと、隠していたんだ。

なるほど

通りで同学年の告白を断るわけだ。

確かにあの大人っぽさというか、あの綺麗な高校生に芋くさい中学生女子が勝てるとも思えないし。


二人はヒロちゃんの家に向かわず違う道を進んでいった。

彼女のおうちに送り届けるのか


あ、そうですか


私は二人から目を離しヒロちゃんの家に向かった。

ふん、あのリア充め


ニンジン丸ごと入れてやろうか。
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