【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
なに、それ
ヒロちゃんの彼女
妊娠?
こわっ
嘘でしょ。
だってヒロちゃん今日普通に学校来てたじゃん。
どうして
私はその場で膝を抱えて座り込んだ。
この一週間に
私の知らないところでどれだけヒロちゃんは苦しんでいたんだろう
ヒロちゃん、彼女さんとエッチして、好きって言ってもらえて
喜んでいたのに
あんなに
幸せそうだったのに
どうして?
『ええ、そう。けど、その方がいいわよね
マヒロくんも早く忘れた方がいいわ。彼女さんのこと』
忘れるって
ヒロちゃんは彼女さんのことあんなに好きだったのに
なんで忘れなきゃいけないの
ヒロちゃん
ヒロちゃん大丈夫なの
今何してんの
どこにいるの
私は鞄を投げ捨てて勢いよく玄関の扉を開けて再び外に出た。
どうしてだろう
ヒロちゃんはもうアミさんに会わなくていいのに
なんで私はこんなにも悲しいんだろう