【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
会って話したい
慰めてあげたい
下心も何もなかった
ただ
ヒロちゃんが悲しいのは嫌だ
ヒロちゃんの家に向かうため、私は走った。
赤信号にさしかかり、
私は舌打ちしながら立ち止まった。
なんて声をかけてあげればいいんだろう
どうやって接したらいいだろう
今までずっと一緒に居たのに
こんなときどうしたらいいかも分からない
だけど
きっと私は誰よりもヒロちゃんが大好きだから
この気持ちだけは偽っていないから
だからねヒロちゃん
私のこと好きになっちゃえば楽なのにね
てか、信号おそい
ちらっと前方を見据えた。
まだ夕方だからまあまあ人いるな。
下校中の中学生や高校生
おじいさんや若いお姉さん
そのなかに
見覚えのある人を見つけた。
私は目を擦った。
…こんなとこで会うなんて
開いた目はしっかりとその人を映し出した。
高校生の女子二人
一人は
アミさんだった。
ちょうど信号が青になり
一斉に信号を渡り始める。
私は立ち止まったままだった。