【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

キノは自由人



五時間目開始のチャイムがなると
自治会の子が教壇の前にたち黒板になにか書き始めた。


黒板には"文化祭出し物"の文字



「はーいじゃあ今回のロングホームルームでは文化祭の出し物決めるんで二年四組でなんかしたいのあったら上げてください」



文化祭の言葉にざわつく教室
そうかもうそんな時期だっけ。

カフェ、劇、お化け屋敷、スタンプラリー

色々思い浮かぶけど別にやりたいやつなんてない。



「はい!劇しましょう!」

まず始めに手をあげたのは演劇部の子だった。

それからぽつりぽつりと案があがっていき

一通り出終わったあと多数決をして
第1希望お化け屋敷
第2希望カフェ
第3希望映画
第4希望劇

になった。



「じゃあこの案で今から話し合って決めてきまーす」

そういって自治会の子が出ていくとまたざわつき始めた。


「タカ、タカは何したいの」


「そうね、なんか、全部難しそう」


「俺はねー、カフェかなー、タカのエプロン姿見たいし」


「私の料理食べたいの?」

「いや、料理は遠慮しよかな
ちょっと死んじゃうかな」


ふいっと顔をそらしながら呟くキノ。
悪かったな女子力低くて


別に料理できない訳じゃないけど


どうやら私は味音痴らしい。

自分で作ってると味覚麻痺してくることってあるじゃん。



「はい!注目決まりました」


再びガラガラっと開いた扉

皆言葉を待った。



「ごめんなさい、じゃんけん負けて劇に決まりましたー」


教室中から落胆の声が響いた。
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