【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―


「ヒロちゃんに謝れっ

ヒロちゃんはお前なんかのせいで辛い思いしてるんだよっ

なんでお前だったんだ

お前なんかただのくそビッチのくせにっっ」


ぼろぼろと涙が溢れて止まらなかった


すぐに通行人の人に止められて私は家に返された。


あの状況では

私はどこから見ても悪者の方だった。

家に帰ってからお母さんにもお父さんにもこっぴどく叱られたけれど


私は絶対に謝らなかった。

だって、ヒロちゃんが優しいから

ヒロちゃんはどうせ彼女を怒ったりしていないんでしょ?


裏切られたのはヒロちゃんなのに


だから、
私が代わりにああするしかないじゃん。

じゃないとヒロちゃんが

かわいそうだよ



そのあと

私に会いに来たのは
彼女ではなく

ヒロちゃんだった。


久しぶりにヒロちゃんと目を合わせた

ほんの少し顔が綻んだのはつかの間


ヒロちゃんに頬を叩かれた。


ヒロちゃんは本気じゃなかった

だけど

痛くて痛くてしょうがなかった。
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