【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
キノもなんか残念そうにため息をついてる。
私は正直なんでもいい。
「じゃあこれから昼休みとか使って色々決めて
夏休みにちょいちょい集まってやってくんでー」
そうして私たちのクラスは劇に決まったわけだけど。
まあまだ文化祭なんて先の話だ。その前に夏休みあるし
「タカー、帰り買い食いしてこー」
「うん、あれ、金欠なんじゃないの」
「昼飯代と買い食い代は別なのー」
なんかおやつは別バラみたいな言い方だな。
「そーだマヒロも連れてってやろ」
「マヒロくんバスケあるんじゃない?」
「今日休みらしーよなんか」
キノは嬉しそうにそう言った。
マヒロくん嫌がるだろうなあ。
というか気使って来ないんじゃないの?
なんて、
キノがそんなとこまで考えてるわけない。
自分が一番いいと思うことは皆にも一番いいと思ってるとこあるんだよなこの人。
私が彼女じゃなかったら愛想つかされてんじゃないのってつくづく思う。
そう考えたら私って出来た人間だと思いませんか。