【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―


「…高橋さん、なんでも知ってるね」


「私が言えたことじゃないのは分かってるんだけど


もう、やめようよ


マヒロくんがどんなに他の女の人と遊んでも

マヒロくんの元カノさんはまったく痛くないんだよ。
ただマヒロくんを好きなだけの人を裏切るのは

ダメ


それに
マヒロくんだって苦しいはずだよ」




マヒロくんは天井を見上げて静かに目をつぶった。

目をとじたマヒロくんの顔をじっと見てみると

まつげは長いやら

肌が綺麗やら

唇がなんかえろいやら


見ていられなくなったのですぐ顔を背けた。

あれ、てか私

今ふつうにマヒロくんのベットでマヒロくんと寝転がっているけれど


これ、あかんやつ?


ダメだよね

なんか口動かすのに必死ですっかり忘れていたぞ


ゆっくりと体をあげてベットから降りようとすると


マヒロくんの腕が急に腰に巻き付いてきて再び倒れた。


…三度目



「……あの、マヒロくん、私は一応人の彼女なんであまりこういうことは」


「あの日は、立場が逆だったんだ」


「え?」




マヒロくんが寝たままの体制で後ろから巻き付けた腕をぎゅっとしめた。

マヒロくんのおでこが

背中に当たっていた。




「彼女の、アミさんの家で、

後ろから抱きしめられて

したいって、言われた」


「うん」


「男ってさダメだよね、心じゃダメだって分かってても

体が反応しちゃうんだから
ほら、今も」


「!!!?」


「うそ。
さっきなえたよ」


「なえたって…」



冗談なのか本当なのか

はっきりしてほしい…
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