『死』と言う名の何か【短篇集】
キキキキキッ

激しいブレーキ音が木霊した。

急に飛び出し彼に気づいた運転手が必死のブレーキをかけたのだった。

しかし、彼が子犬を抱きかかえると同時に激しい衝撃が走った。

ドンッ

寸前の所で止まることなく車と彼の体が衝突したのだった。

子犬を抱えた彼は道の端に吹き飛ばされてしまった。

そしてすぐに周りが暖かくなる。

自らの血液にまみれた体は、どんなに力を込めても動かない。
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