『死』と言う名の何か【短篇集】
いてもたってもいられずに俺は勢いよく立ち上がった。

目の前の担任が驚いた表情をし、どうしたのかと問うが答えられない。

そんな事よりも!

俺は急いで教室のドアを開け放った。

そして、目の前に映し出されたのは窓に登って下を見つめる彼女。

ここは四階でかなりの高さがあるのに彼女は動じていない。

俺に気づいた彼女は大粒の涙を流しながらこちらに笑顔を向けた。

そして…

彼女は舞った。

自由を求める鳥のように両手を開き外の世界に。

しかし、重力に引き寄せられるかの様に体は下に下に落ちていく。

ーードンッ
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