君色に染まったままで
入学式を終えてうちらはそれぞれの教室へと向かう

「え、由衣と莉帆おんなじクラスなん!?」

「ほーよー、残念彩葉!」

由衣がいたずらっぽく笑った
うちが拗ねてると、莉帆が口を開く

「あ、彩葉、この後ハンドの見学行くけんね!迎えいくけん、教室で待っとって!」

うちはおけー、と軽く答えた
中学ではバレーをしてたうち
莉帆に誘われて高校はハンドに入ることになっとる
まぁ、最初はなんもする気なかったんやけどね
簡単なHRを終え、うちは莉帆を待つ

「彩葉!おまたせー、行こ!」

うちは頷いて席を立った

「あれ、由衣は?」

「あぁ、ホッケーの見学行ったー」

「あねー」

うちらはハンドが練習しているグラウンドへと足を運ぶ
野球部が隣接しているグラウンドで練習中
うちらはハンドの練習をじっくりと眺める

「危ない!」

「え?」

次の瞬間、鈍い痛みと共に意識が途切れた
最後に聞こえたのは、莉帆がうちを呼ぶ声やった
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