君色に染まったままで
ガラガラッ
少し重たい扉を横に引くと
優しい顔で笑う男の人がいて
様々な声の挨拶が聞こえる
うちは走って電車に飛び乗ったあと塾に来た
「彩葉さん、こんにちは」
「ども、今日蓮ちゃんですか?」
塾長の川本さんがコクリと頷いた
うちは蓮ちゃんのおる席へと向かう
「蓮ちゃーん!!!」
「うぉっ、びっくしたー、なにしてんのん?あ、今日授業?」
「うん!蓮ちゃん!」
「ほーか、ちょー待ってなー」
蓮ちゃんは癖のある喋り方でちょっと待っとってって言うと
準備をはじめた
きょろきょろ見回してみても
彼の姿はなく、悲しくなる
「授業始まるで」
うちはかばんの中からのろのろと荷物を出す
そしてだらだらと90分間の授業が過ぎていった
授業後、蓮ちゃんと喋るのが日課やから、今日も喋った
「彩葉さん今日入学式やったんやろ?」
「あー、おん」
「どないやったん?」
うちは今日あったことを全部話した
由衣と莉帆とクラスが離れたこと
ボールぶつけられたこと
俊ちゃんに再会したこと
正に出会ったこと
そして、ピアスを触られ逃げてきたこと
蓮ちゃんは頷きながら話を聞いてくれた
「そのピアスあれやんな、お揃い」
「おん…」
うちは苦笑して荷物を片付ける
「ほーか、それは大変やったね」
「いろはー!!」
由衣が呼んでる
行ってみるとそこには別々の制服を着た女の子らが集まっとった
「菜々美ちゃんよぉ似おとるやんその制服!なかちゃんも似おとるわー、はーちゃんは…笑える」
うちはひとりひとりに感想を言って笑った
「彩葉ちゃんひどい!うちだけ似合ってないみたいな言い方して!」
はーちゃんが笑いながらうちをどつく
みんな進みよる、進んでないんはうちだけや
「蓮ちゃん、うち帰るわ」
「ん、じゃぁまた来週」
うちは蓮ちゃんに手を振って
再び重たいドアを開けて外に出た
電車に乗っていすに座る
「お、彩葉やないか?」
「あれ、正さっきぶり」
声をかけてきたのは正やった
正はうちの隣に腰掛けてふぅーと長く息を吐いた
「それ、そんな大事なもんなん?」
それとはきっとピアスのことだ
うちは黙って頷く
「ほーか、俊も悪気があったわけやないけん、許したってや」
「うん、わかってる、うちが悪かったんよ」
うちは下を見たままそう返した
「つーかうちの学校ピアス禁止やのにそんなベリショでよく堂々とつけられるね、尊敬するわ」
正が少しいたずらっぽく笑った
禁止なんてことは百も承知だ
そのうえでつけとるんやけん
何言われてもしょうがない
うちは電車が止まると立って、正に頭を下げた
「じゃぁ、ここで降りるんで」
「ほーか、じゃぁまた明日な」
うちは頷いて電車を降りたい家までの帰り道
スマホの電源を付ける
画面にはお揃いの白と黒の星のピアスを付けてピースしてるうちと彼の姿
自然と涙が溢れてきて
たまらなく彼に会いたくなった
うちは相当な弱虫や…
少し重たい扉を横に引くと
優しい顔で笑う男の人がいて
様々な声の挨拶が聞こえる
うちは走って電車に飛び乗ったあと塾に来た
「彩葉さん、こんにちは」
「ども、今日蓮ちゃんですか?」
塾長の川本さんがコクリと頷いた
うちは蓮ちゃんのおる席へと向かう
「蓮ちゃーん!!!」
「うぉっ、びっくしたー、なにしてんのん?あ、今日授業?」
「うん!蓮ちゃん!」
「ほーか、ちょー待ってなー」
蓮ちゃんは癖のある喋り方でちょっと待っとってって言うと
準備をはじめた
きょろきょろ見回してみても
彼の姿はなく、悲しくなる
「授業始まるで」
うちはかばんの中からのろのろと荷物を出す
そしてだらだらと90分間の授業が過ぎていった
授業後、蓮ちゃんと喋るのが日課やから、今日も喋った
「彩葉さん今日入学式やったんやろ?」
「あー、おん」
「どないやったん?」
うちは今日あったことを全部話した
由衣と莉帆とクラスが離れたこと
ボールぶつけられたこと
俊ちゃんに再会したこと
正に出会ったこと
そして、ピアスを触られ逃げてきたこと
蓮ちゃんは頷きながら話を聞いてくれた
「そのピアスあれやんな、お揃い」
「おん…」
うちは苦笑して荷物を片付ける
「ほーか、それは大変やったね」
「いろはー!!」
由衣が呼んでる
行ってみるとそこには別々の制服を着た女の子らが集まっとった
「菜々美ちゃんよぉ似おとるやんその制服!なかちゃんも似おとるわー、はーちゃんは…笑える」
うちはひとりひとりに感想を言って笑った
「彩葉ちゃんひどい!うちだけ似合ってないみたいな言い方して!」
はーちゃんが笑いながらうちをどつく
みんな進みよる、進んでないんはうちだけや
「蓮ちゃん、うち帰るわ」
「ん、じゃぁまた来週」
うちは蓮ちゃんに手を振って
再び重たいドアを開けて外に出た
電車に乗っていすに座る
「お、彩葉やないか?」
「あれ、正さっきぶり」
声をかけてきたのは正やった
正はうちの隣に腰掛けてふぅーと長く息を吐いた
「それ、そんな大事なもんなん?」
それとはきっとピアスのことだ
うちは黙って頷く
「ほーか、俊も悪気があったわけやないけん、許したってや」
「うん、わかってる、うちが悪かったんよ」
うちは下を見たままそう返した
「つーかうちの学校ピアス禁止やのにそんなベリショでよく堂々とつけられるね、尊敬するわ」
正が少しいたずらっぽく笑った
禁止なんてことは百も承知だ
そのうえでつけとるんやけん
何言われてもしょうがない
うちは電車が止まると立って、正に頭を下げた
「じゃぁ、ここで降りるんで」
「ほーか、じゃぁまた明日な」
うちは頷いて電車を降りたい家までの帰り道
スマホの電源を付ける
画面にはお揃いの白と黒の星のピアスを付けてピースしてるうちと彼の姿
自然と涙が溢れてきて
たまらなく彼に会いたくなった
うちは相当な弱虫や…