恋人は高校生組長
『青龍組の組長がいない?』

『はい』




白虎のNo.2のワタルから報告を受けたのは、つい昨日のことだ。





『青龍組は隠しているのですが、どうにも組長の影が見えないのです』

『ふぅん……』



組長の不在は、組員たちの心をばらばらにするし、そこに付け込もうとするほかの組が現れる可能性もある。

だから、青龍は組長がいないことをひた隠しにしているのだろう。




『あまり驚かれないのですね、お嬢』

『うん。青龍に跡取りいないの、聞いてたから』



朱雀と玄武の組長には、それぞれ妻子がいると知っていたが、青龍の組長であった東浦英祐は独身だった。



『いえ』





だが、私のなけなしの極道情報に、ワタルは頭を横に振った。





『隠し子の存在はあります』
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