恋人は高校生組長
『えー……いいのかなぁ…………』



組長と呼ばれるのは、老けてるみたいで嫌。

だから、ワタルには以前のままで『お嬢』と呼ばせている。



そのくらい、私はまだまだ未熟な子供なのに。







『放課後、ここにお寄りください』




ワタルがしれっと差し出した住所は、私の通う高校からほど近い場所だった。




『ここにその子が住んでるの?』

『えぇ、まぁ。というか、ここは店ですね』

『店?』

『料亭なんです』

『ふぅん、料亭の子なんだ』




やっぱ料理上手なのかな??



ちなみに、私は包丁を握ると必ずケガをする。

だから、ワタルは私を台所に立たせない。


……過保護だ。




『私、一人で?』

『いえ、私も先に行っておりますので』

『……はぁーい』









まぁ、これが、つい昨晩のことだ。
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