恋人は高校生組長
「あいかわらず、青井の飯はうまいな」



衣に青のりを混ぜた海老の天ぷらをつつきながら、愛斗が呟く。



「ありがと。自信作なんだ」

「うん、マジでうまいわ」




もう愛斗はすっかり『葵』の常連。

俺の味をよくわかってるから、信頼できるし褒められると嬉しい。




だからつい聞きたくなるんだけど……





「あのさ、愛斗……」

「ん?」

「……いや、何でもない」





『アイツ』のことを聞いてみたい。


でも、愛斗は1番聞いてはいけない相手だと思う。






俺は気づいてるんだ。



愛斗も、俺と同じ。

『アイツ』のことを好きになりかけてる。
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