恋人は高校生組長
「く……、お、お嬢が」

「ルリちゃんに何かあったんですか!?」




つかみかかるような声の愛斗の顔は、血の気が引いて真っ青になっていた。




『ルリちゃん』……

『西宮瑠理香』……


2つの名前がイコールで結ばれたとたん、俺の頭の中もぐちゃぐちゃに乱れた。

アイツに……何かあった……?







男性は肩で息をしながら、必死に言葉を吐き出す。




「げ、玄武に連れ去られて……」

「玄武に……!?」




おうむ返しに繰り返す愛斗が、力ない瞳で宙を見つめた。

男性は、荒い息を吐きながら俺を見た。





「あなたのことも知られてる。
 逃げないと……」
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