恋人は高校生組長
白虎組の邸宅に着くと、瑠理香はバタバタと奥へ行ってしまった。

どれほどの心痛かと思うと、それだけで胸が苦しくなった。



男の俺には、理解できない痛みだ。

想わない相手に触れられる、なんて。





小さな背中に思いをはせていると……ワタルさんに声をかけられた。




「お嬢の部屋で待っていてください」

「え、でも……」

「お嬢も、嫌がりはしないでしょうから」




ワタルさんの笑顔は、妙にさみしい笑顔だった。




「そこを、曲がって右です」
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