恋人は高校生組長
好きな人と抱き合うのは、めちゃくちゃ幸せだった。




男同士によくある、くだらない会話の中でよく聞いた。


キモチよくて、
めちゃくちゃ緊張して、
すげぇドキドキするんだって。





その通りだった。



でも、それ以上に、

瑠理香のことがかわいくて、いとしくて、自分がぶっ壊れそうだった。








「幸祐……」



瑠理香が俺の額に触れた。

鋭い痛みが一瞬走る。



彼女を守るために、
組長である自分を認めるために、
父親に近づくために、

切った傷だ。






「……る、りか、しんどくなかった?」



荒い息のまま、聞いてみる。



「大丈夫。……幸祐、好きだよ」

「うん……俺も」



本当に、すげぇ、
瑠理香のことが好きだと思った。

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