恋人は高校生組長
「お、青井、もう帰るのか?」




チャラついた金色の前髪をいじりながら、クラスメイトの愛斗が声をかけてきた。



愛斗は、いわゆるヤンキー。

バイクと女をこよなく愛してる。





入学以来、どーゆーわけか俺に絡んでくるんだ。


変なやつ。







「あぁ、うん。まだ仕込みが終わってないんだ」

「あー、えっと、店の?」




愛斗が共犯者みたいな表情で、ニヤッと笑う。



”仕込み”。

”店”。



フツーの同級生には伝わらない秘密のセリフだ。



俺のささやかな『秘密』も、愛斗は把握済みなんだ。


っていう意味じゃ、一番親しい友達かもな。




「そうそう。愛斗はどうすんの?」
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