恋人は高校生組長
誰も、何も言わない。

ただ、座敷はしんと静まり返っている。





罵られるのではないかと、恐れていた。



『青龍の組長にそそのかされたか』

『白虎の組長たるものが色恋に身をやつしたか』

『臆病者』

『裏切り者』



そう言われることを、心のどこかで覚悟していた。


みんな頭では分かっていても、何かが噴き出すのではないかと。




でも、私を見るみんなの目は、穏やかだった。
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