恋人は高校生組長
「お帰りなさい」



白虎の屋敷に戻ると、玄関で瑠理香の優しい声が出迎えた。




「ただいま」

「起きたら、幸祐がいないからびっくりしちゃった」

「あぁ……ごめんな」

「終わったんだね」



瑠理香が、静かに問いかける。



「あぁ。全部終わりだ」



答えて、俺は瑠理香を抱きしめた。







ようやく、何も思い悩まずに、罪悪感を感じずに、彼女を抱きしめることができた。

そのことが、心にしみわたるほど嬉しかった。
< 382 / 406 >

この作品をシェア

pagetop