恋人は高校生組長
「おい、瑠璃香?」



襖の向こうから、幸祐が私の名前を呼ぶ。

その優しい声がどこまでも愛しく聞こえる。



「はぁい?」

「そろそろ時間やばいぜ?
みなさんお待ちかねだぞ」

「そうね、すぐ行く!」




結婚式には、ごく親しい友人だけを呼んである。

派手な披露宴も、チャペルでのキスも、幸祐と私は望まなかったのだ。

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