恋人は高校生組長
父さんが出かけて行ってから、数時間がたったころ……


自分の部屋で一人、ぽつんと膝を抱えていた私の肩に、ふわりと大きな布が掛けられた。




はっとして振り返ると、背後にいたのは、白虎組の若頭であるワタルだった。




「ワタル……。どうかしたの?」

「……お嬢。いえ――――――、組長」





ワタルは膝をつき、頭を下げた。





「白虎の羽織です」


白虎の羽織は、背中に白い虎が描かれた艶やかな図柄の羽織で、白虎組に代々伝わる由緒あるものだ。


そして、それを羽織るのは組長にしか許されないことだと、小さなときから教わっていた。


それが今、私の肩を覆っている......

それはつまり……












「……父さんが死んだのね?」

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