恋人は高校生組長
「はいはい、そーですかー」



すねた愛斗は、つーんとそっぽを向く。



「だから、ほっといてね」

「ったく、素直に俺にしときゃいーのに」

「また冗談ばっか言うんだから」




ほんと、愛斗は悪い冗談が好きだ。

いつもあれだけ女の子たちに騒がれているんだから、私みたいなのをからかうのなんかいい加減やめればいいのに。



「冗談じゃねぇって」



愛斗は懲りずに、甘い笑顔を見せる。

私が普通の女の子だったらイチコロで恋に落ちそうなくらい思わせぶりな笑顔だ。


「俺がマジなのはルリちゃんだけだって!」

「……はぁ」




ため息をついて、愛斗とは教室の前で別れた。




< 77 / 406 >

この作品をシェア

pagetop