Mr. Unknown
無名のガンファイター
 米国大陸開拓記。

 先住民である誇りを守ろうとするネイティブアメリカンと、

 利益を確保する為に圧倒的物量で押し寄せる騎兵隊が戦いを繰り広げていた。


 人々がフロンティアスピリットを持っていた時代。


 土にまみれ土地を開墾し、家畜を育て、鉄道を敷き、街を次々に築いていった時代。



 そこにはある特殊な人種が存在した。


 彼等はつば広の帽子を被り、ブーツを履いた。


 そしてガンベルトを身に付け、ポーカーとウイスキーを愛した。


 何かにつけては喧嘩をし、命を掛けて決闘に挑む破天荒な戦士達だった。


 人々は彼等をガンファイターと呼び、

 恐れ、そして尊敬していた。

 
 ワイアットアープ、

 リンゴーキッド、

 ドクホリデイ、

 ビリーザキッド、

 後世にまで名を残したガンマンは数多い。

 
 しかし、その影に埋もれ、名も知られず消えていった男達は、女も含め数えきれない程いたであろう。


 今からするのはその歴史に埋もれてしまった男の話。

 
 多くの名を持つが誰も本名を知らない。

 
 そんな名も無き、そして多くの異名を持つ銃使いの物語である。
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