Mr. Unknown
 その後からが大騒ぎだった。

 
 皆は笑いだし、ビルが安い金を提示したから更に皆は大笑いした。

 
 
 でも私の胸は熱くなっていたよ。

 
 私を一晩だけでも助けてくれようとしているんだって分かったからね。


「それじゃ安すぎる。

 その十倍を出す」


 彼は平然と言うと金をビルに渡して私の手を引いた。

 
 辺りは静まり帰ってね。

 
 私は嬉し恥ずかしさのあまり顔が処女のように真っ赤になっていただろうね。


「よかったな、せいぜい楽しませろよ!」


 そう言ったのは私の顔に傷をつけた男だったんだ。
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