Mr. Unknown

「邪魔するなよ男前?
  痛い目に会いたくないだろ?」


「俺が買った女だ。
       部外者は失せろ」

 

 部外者って言葉がいけなかった。

 
 彼は私とあいつの関係を知らなかったんだ。

 
 激情したあいつはナイフを抜いた。

 
 それでも彼は全く怯まなかった。


「てめえの顔も女とお揃いにしてやろうか!」


 あいつがそう言った直後、

 彼はあいつを目一杯殴り飛ばした。


 あいつは壁まで吹き飛び、辺りは騒然となった。 


 殴られた方はとっさにナイフを構え直したが、

 膝に来てたみたいでその場にへたりこんでさ。

 
 そして彼は一切怯む事なく向かって行ったんだ。

 
 その異様なまでの自信にあいつも怯んでいたね。

 
 周りの客だって同じだったろう。

 
 命知らずの彼はまたあいつを殴った。

 
 
 そう何度も何度も。
 
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