Mr. Unknown
 部屋に入った私は礼を言って、隅っこで座ったんだ。

 
 彼の眠りの邪魔にならない様にって。

 
 起きていて彼を守らなきゃってね。

 

 そしたらね。


「俺に抱かれるのは嫌か?」
 

 っていうんだよ。


「もう十分助けてもらったし、

 感謝してる。


 これ以上迷惑は掛けたくない」


 って私は言ったのさ。



 そしたら彼は無言で私の手を取り…



 その夜の嵐の中、身体中に雷が落ちたみたいだった。

 
 女の喜びまでも思い出させてくれたのさ。


 でもまだこれで終わりじゃないんだ。
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