Mr. Unknown
宝石商の証言
 今は宝石商をやっていますがね。

 昔はゴールドラッシュに沸いていた西部を走り回って金塊の仲買人をやっていたんですよ。



 ええ、そうです。

 今の様に汽車に乗ってね。


 丁度事件の前日に大口の買い付けの話があったんで、

 私は大量のゴールドを持っていたんですよ。


 その時の私は護身の為にボロをまとって、

 如何にも貧乏開拓者を装っていました。


 だから安心していたんですよ。



 でもね、その日は厄日だった。



 そうなんです。


 あいつは私の隣に座っていました。

 

 
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