Mr. Unknown
 私は気が遠くなりかけましたよ。


 あいつらに全て持っていかれると思いましてね。



 でも、私は気付いたんです。

 私が座っている席の窓が空いている事にです。


 そこで私は決心して勝負に出たんです。


 金が入っている袋を悲鳴の声に乗じて外へ投げようとしたんです。


 また後で回収すれば良いと思いましてね。



 でも隣が良くなかった。



 蜂の巣クロックは今正に荷物を投げんとする私の腕を掴んで首に巻いていたバンダナを下ろしたんです。

 
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