Mr. Unknown

 「レモネードだ」
 
 
 俺は耳を疑ったね。

 
 さっきも言ったが、俺の人を見る目は確かだ。

 
 全てを使い込んでいるがボロボロじゃない。

 
 これは良い物を大事に使っている一流の男の風貌だ。

 
 そんな男がレモネード?

 
 俺は思わず自分で注いだウイスキーを一口で煽っちまったよ。

 
 俺だけじゃ無い。

 
 近くで飲んでいた厄介な男が笑うのも当然だった。

 
 そう、その笑った男は厄介な男だったんだ。
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