Mr. Unknown
 その時、俺たちラミノフ兄弟はまだ駆け出しのルーキーだった。


 施設を飛び出し、

 ナイフで生計を立て、

 銃を手に入れてからはそこにいたんだ。

 なあ兄弟?



 ストローハットっていう農村だったわな。

 酒場で流れ者を監視しながら農村の仕事を手伝ってたんさ。



 そうだ。

 そこに一人の流れ者が来やがった。


 男が言うには隣街っつてもちょっと離れた街に大きな仕事が出来たって事だった。


 どうも街の金貸しが、

 ならず者に嵌められて、

 復習者を募ってるってな内容だった。


 なあ兄弟?



 ああ、命取りのキースだ。

 覚えてるぜ。


 高利貸しで、金が取れなけりゃ見せしめに痛め付けるって奴だったが、

 弱い奴には優しかったって憎めなかったわな。



 ああ、そうだ。

 あの頃は金貸しは舐められりゃ終わり、

 憎まれ過ぎても終わりってな仕事だったんさ。

 
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