Mr. Unknown
 キースをはめたのがあいつらタイタンズだった。


 タイタンズは金を借り、多くの担保を預けたのさ。


 上質な毛皮、上等の布、貴金属。



 奴等はまんまと大金をキースから引っ張った。



 あいつらは知っていたのさ。

 なあ兄弟。



 そうさ。奴等は知っていた。

 キースは良い品が担保で入ると隣街の鑑定士付きの金庫に輸送するって事をな。



 俺たちだって知ってたさ。

 皆知ってた。

 でも襲う奴はいなかった。



 そんだけキースってのは危ない野郎だったってわけよ。

 なあ兄弟。



 皆、金より命が惜しかったわけよ。

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