Mr. Unknown
 この時代じゃ銃を先に抜いた奴が罰せられる事になっていた。

 
 後で抜いた奴は正当防衛で罪には問われないってわけだ。


 だが、そんなぬるい事を言っていたらこの西部じゃ生き残れない。

 
 まあ、かといって殺人を犯せば保安官に追われるわけだが。

 
 そいつは厄介な男の後に続き黙って店の外へと出ていった。

 
 他の客も、結果は分かっていただろうが俺も外へ出た。

 
 親切な老人は男を止めもしたが、

 男は先に出た男と対照的に妙に落ち着いていた。

 
 これだけギャラリーがいれば裁判で言い訳は出来ないだろう。

 
 ここからは二人の男の駆け引きが始まる。

 
 先に抜いて優位に立ち、

 アウトローになるか。

 
 それとも後手に回り、

 正義のヒーローになるか。

 
 まあ、大抵は正義の死体になるわけだが。

 
 でも言っただろう?

 俺の人を見る目は確かだって。

 
 だがあれは予想外だっだよ。
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