人気者の君は不器用で…
優也と私は静かなカフェに入った。



なんか、優也がこんなとこ入るなんて意外だな。


私たちは空いていた奥の席に座った。


「ああっ!」


「どうした。」

「塾……忘れてた。」


5時からなのにもうとっくに過ぎている。



「ごめん!カフェにまで連れてってくれたのに塾、行かなきゃだから。」


そう言って席を立つと優也は私の腕を掴んだ。


「えっ、ちょなにすんの!」


「もうサボれよ。」


「は?そんなの怒られちゃっ……うわつ!」

優也は私の腕を引っ張った。


「なにすんの!怒らせたいの?行かなきゃなんだから!」


そう言うと優也は寂しそうに私の腕を離した。


「ごめんね?また遊ぼ。」


優也の顔がいつもと違くてわたしはそんなことをいってしまっていた。

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