手の届かないキミと


とにかく離れたくて、

ハルくんの近くにいるのも嫌だったし、村山くんのそばにもいたくなかった。


だって、私…

弱いから、きっと流されてしまう。



「うっ…」

もう何の涙かわからない。

苦しい、つらい、見たくない、逃げ出したい、

…それでも、そばにいたい。

でも、こんな思いしたくない。



「アキちゃん?」

「ふぇ?」

私の名を呼ぶ声がして、下を向いていた顔をあげると、

そこにはビーチパラソルを持ったリョウさんがいた。

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