手の届かないキミと
「そのシュシュね、」
ミチルさんが運転席の窓から顔をのぞかせて言う。
「私が初めてチュウしたときにしてたシュシュなの」
綺麗な夜景を見ながらね、ロマンチックだったわ~
とうっとりするミチルさん。
「だからそのシュシュには私、ミチルのラブパワーがつまってるわよ~」
そうしてふふふっと意味深な笑い声を残してミチルさんのワゴンは夜の闇に消えていった。
初めてチュウって…
ミチルさんのファーストキス…?
思わず自分に置き換えて想像してしまって…
経験のない私は、顔がぼっと熱くなった。